SNSが普及し、誰もが発信者になれる時代になりました。
その中で、「自分メディア」という言葉を耳にする機会も増えています。
では、誰もが注目される発信者になれるのでしょうか?
ちきりんさんの著書『「自分メディア」はこう作る!』は、その問いに対して具体的なヒントを与えてくれます。
本記事では、本書の内容をもとに、自分メディアを作るための本質的な考え方を3つの観点から考察していきます。
考察① 「人生経験」こそがメディアの原点
自分メディアの軸になるのは、特別なスキルや肩書きではなく、自分自身の人生経験です。
本書では、どんな人でも日々の経験から「コンテンツ」を生み出せることが強調されています。
これは、情報発信の敷居が劇的に下がった現代ならではの考え方です。
たとえば、子育てに悩んだ経験をもとに育児ブログを始めた人が、同じような悩みを抱える読者から支持され、やがて育児本を出版するに至ったというような事例も少なくありません。
自分の経験を丁寧に言語化し、それを必要とする誰かに届ける。
その積み重ねこそが、自分メディアを育てていく原動力になります。
考察② 「読者を意識しすぎない」姿勢が信頼を生む
発信する際、つい多くの人に好かれようと無難な内容に寄ってしまいがちです。
しかし、本書では「自分メディア」はむしろ、読者に媚びずに、自分の考えを率直に伝えることが大切だと説かれています。
それは、「自分らしさ」が薄れた発信は誰の心にも響かないからです。
たとえば、日記のような形式で自分の意見や行動を発信していたブログが、共感を呼んで人気になったケースもあります。
読み手に合わせるよりも、自分の言葉で、自分の視点から語ること。
そのスタンスが結果的に、共感と信頼を集める力につながっていきます。
考察③ 継続のカギは「記録」から始めること
自分メディアを始めようとしても、ネタが尽きてしまう、書くことが思い浮かばないという悩みはつきものです。
本書では、そうした悩みに対して「まずは記録から始める」ことを提案しています。
つまり、毎日の出来事や気づきを簡単に書きとめることが、発信の土台になるという考え方です。
この記録が蓄積されていくと、自分でも気づいていなかった興味関心や視点が浮かび上がってきます。
たとえば、移動中に見た風景の感想や、本を読んだメモが、後にブログ記事のテーマになることもあります。
「発信しよう」と意気込まず、「記録する」ことから始めるのが、自分メディアを続けるコツです。
まとめ
「自分メディアを作る」というと、特別なスキルが必要だと思われがちです。
しかし本書が伝えているのは、誰しもが持っている「人生経験」や「視点」こそが、最も価値あるコンテンツになるということです。
また、読者に合わせすぎず自分の言葉で発信すること、日々の記録を通して発信の種を見つけることなど、自分メディアを長く続けていくための実践的なヒントも詰まっています。
「誰かの役に立つことを書かなきゃ」と力むのではなく、「自分の言葉を残していこう」と考えることで、自分らしいメディアづくりがスタートできるのではないでしょうか。
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