鈴木優平さんの著書『お金と自由を手に入れる 投資家思考』は、資産運用に限らず、人生全体を「投資」として捉える視点を提案しています。
本書を読むことで、「どうやってお金を増やすか」ではなく、「どう生きるか」という根本的な問いと向き合うことになります。
ここでは、読後に考えさせられた3つの視点について考察していきます。
考察① お金は目的ではなく手段である
お金を持つこと自体がゴールではないという視点は、当たり前のようでいて実は見落とされがちです。
お金は「何かを叶えるための手段」として存在しているのであって、それ自体が目的化してしまうと、人生が本質からズレていきます。
例えば、「年収を上げたい」と言う人は多いですが、その先にある「何をしたいか」「どう生きたいか」まで言語化できている人は意外と少ないものです。
投資家思考を身につけると、お金を使うこと自体が「投資」になります。
たとえば、興味あるセミナーに参加する、本を買って学ぶ、自分の事業に資金を投入する。
これらの行動はすべて、「未来の自分」への投資と捉えることができるのです。
本書は、お金の使い方を見直す良いきっかけになります。
考察② 4つの資産を意識すると判断が明確になる
本書では「お金」「時間」「労力」「信用」の4つを資産として捉えています。
この考え方が腑に落ちると、日々の行動や判断に一本筋が通るようになります。
たとえば、時間をムダにしている感覚があるなら、「今、自分はどの資産をどう使っているのか?」と問い直すだけで、自然と優先順位が見えてくるはずです。
特に印象的だったのは、「信用も資産である」という視点。
会社に所属する時代から、個人が主体となって動く時代へと変わってきている中で、「この人なら信頼できる」という信用が、思っている以上に大きな価値を持ちます。
信用は一朝一夕では築けませんが、丁寧なやり取り、約束を守ること、日々の誠実な姿勢によって、少しずつ積み重なっていくものです。
4つの資産を意識して行動することは、目の前の利益以上に、長期的なリターンを生み出します。
考察③ 最初の一歩をどう踏み出すかが分かれ道
リスクを取ることに対して、どうしても不安を感じてしまう。
その理由のひとつに「損失回避性」があります。
これは「得することよりも損をすることのほうが強く心に残る」という人間の心理的傾向です。
本書ではこの傾向を理解したうえで、どう行動を起こすかが重要だと語られています。
特に共感したのは、「リターンが不確実でも、経験が自分に返ってくる」という考え方。
副業でも勉強でも、やってみた結果としてうまくいかなかったとしても、その行動経験自体が大きな価値になるという視点です。
一歩を踏み出すことで、自分の中に「実感」が蓄積されていきます。
これはどんな情報よりも信頼できる、自分だけの資産になります。
動かなければ何も変わりませんが、小さなチャレンジでも続けていくことで、未来は着実に変化していきます。
まとめ
『お金と自由を手に入れる 投資家思考』は、資産をどう増やすかという話にとどまらず、「人生そのものをどう設計するか」を問い直す一冊です。
お金や時間を「使う」というより「投資する」という意識に変わることで、日々の行動が変わります。
そしてその小さな変化が、将来的に大きな自由をもたらす可能性を秘めています。
今の延長線上ではない未来を描きたい人にとって、本書はその出発点になるでしょう。
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