未来に不安を感じることはありませんか?
この本『フューチャリストの自分の未来を変える授業』(ブライアン・デイヴィッド・ジョンソン著)は、そんな私たちに「未来は予測するものではなく、つくるものだ」と教えてくれます。
本書で提案されている「フューチャーキャスト」は、未来に対する受け身の姿勢を打ち破り、自分で望む未来を描き、それを実現するための実践的な方法です。
以下では、本書を読み解く上で特に印象に残った3つの考察を紹介していきます。
考察① 未来は“想像”から始まる
まず何より重要なのは、自分の望む未来を自分の言葉で描くことです。
人は現実に引きずられがちで、「こうなるしかない」と未来をあきらめてしまいがちです。
でも本書では、まず自分が心から望む未来を物語のように想像することが出発点だと語られています。
これは、目標設定やビジョンとは少し違います。
もっと個人的で、感情や願いを大切にした「物語」を紡ぐことです。
たとえば、「将来は田舎に住んで自然に囲まれた暮らしがしたい」と思うなら、それをもっと細かく想像してみる。
朝は鳥の声で目覚め、畑で野菜を育て、午後はカフェで仕事をする…といった具合に、物語として描くのです。
この作業によって、自分でも気づいていなかった本音や価値観が浮かび上がってきます。
未来は、まずイメージしないと実現できません。
想像することこそが、未来をつくる第一歩なのです。
考察② 未来を押し出す“力”を持て
理想の未来を思い描いても、それを現実にするには動き出す「力」が必要です。
本書では、その力は大きく分けて2種類あるとしています。
ひとつは“個人的な力”、つまり自分の意志や信念、努力です。
もうひとつは“社会的な力”、すなわち周囲の協力や環境の変化、時代の流れです。
どちらか一方だけでは足りません。
たとえば、自分がどんなに起業したいと考えていても、周囲が全く理解してくれなければ続けるのは難しい。
逆に、社会が起業ブームでも、自分自身の行動力がなければスタートさえできません。
本書では、こうした“力”を可視化することが推奨されています。
自分に今ある力は何か?
足りない力はどこか?
それを見極めることで、未来への進み方が見えてきます。
そして力は、ただあるかないかではなく「育てていけるもの」であるという視点も重要です。
未来に向かって進むには、自分で力を持ち、同時に力を引き寄せる環境づくりが求められます。
考察③ “バックキャスト”で未来から逆算せよ
最後のステップが「バックキャスト」です。
これは、未来から現在を振り返って、今やるべきことを逆算するという考え方です。
一般的に私たちは、「今できること」から将来を積み上げて考えがちです。
でもそれでは、現状の延長線上の未来しか見えてきません。
理想の未来を実現するには、「その未来にたどり着くには、今何をすればいいか?」という逆算の視点が必要です。
たとえば、将来フリーランスのデザイナーとして独立したいなら、今はスキルの習得や人脈づくりが必要かもしれません。
あるいは収入のベースを作るために、まず副業から始めるのが現実的かもしれない。
このように、未来のゴールから“今”に引き戻して考えることで、漠然とした夢が具体的な行動に変わります。
そしてこの逆算思考が、夢を夢で終わらせず、実現に近づけるための鍵になるのです。
まとめ
本書『フューチャリストの自分の未来を変える授業』は、未来を“受け身”で考えてしまう人にとって、大きな転換点となる一冊です。
「未来は予測するものではなく、つくるもの」というメッセージは、シンプルながら強烈な力を持っています。
自分の未来を描き、それを押し出す力を育て、逆算して行動する。
この3つのステップによって、未来は確実に自分の手の中に近づいてきます。
どんな未来を生きたいか。
その答えを自分で描き、今日の行動を少しだけ変えてみること。
それが未来を変える第一歩になるのではないでしょうか。
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